このHPは、自家用軽飛行機「ハスキー」でアラスカを飛んだ飛行家の記録サイトです


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ヤナギランの道

撮影地:フェアバンクス北東部
撮影日:Jul.2007

ナショナル・ジオグラフィック誌
日本カメラ誌掲載作品

 アラスカの内陸部では、夏になると決まって森林火災が起こります。その原因は様々ですが、自然発生(雷など)が多いとされています。火災のあとには、Fireweed(ヤナギラン)という花が一斉に咲き乱れ、大地が更新されるというわけです。この写真では、道路の北側(右側)だけが火災で燃えてしまったことになります。アラスカのチャーリーリバーという川をカヌーで下ったあと、飛行機でフェアバンクスに戻る際に何気に見つけた風景なのですが、それはもう筆舌に尽くしがたい色でした。この作品は、翼が映っているにもかかわらず、飛行している雰囲気がよいということで、各紙で掲載されました。

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氷河湖野営

撮影地:チュガッチ山脈
撮影日:Jul. 2007

アラスカ極北飛行(須田製版)表紙作品


 氷河湖のほとりにブッシュランディングをしたあと、氷河を眺めながらキャンプした時に撮影した作品。といっても目の前の景色が凄すぎて、実はかなり酔っていました。そのときに撮影したものが、代表作品になったのです。この写真は著書「アラスカ極北飛行」の表紙にもなっています。焚き火の側でじっくりと眺めながら、目の前にある氷河湖の氷で割ったロックウイスキーをチビリとやる。周囲は静けさだけの空間、ときに遠くで聞こえる氷河崩落の響きは、手元のロックウイスキーに共鳴しつつ・・なんとも贅沢な時間です。

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カリブーの境界

撮影地:アナクトブックパス村
撮影日:Jul.2007




 始めてブルックス山脈の美しい村、アナクトブックパスを訪れた時に、おまじないにかかったような気分で撮影した作品です。人口300名足らずのたいへん小さなこの村と巨大なブルックス山脈の境界は、ツンドラ地帯に無造作にあるカリブーの頭とヤナギラン、そして向こう側に見えるMt.Oka(明治大学の岡教授にちなんで命名された)に象徴されているようで、しばしその場に佇んだ記憶があります。私は、狩猟家でもあるので、この境界の意味らしきものをなんとなく分かりかけたような気がするのでした。

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氷塊で群れるカリブー

撮影地:北極海ノーススロープ
撮影日:Jul.2010

ナショナル・ジオグラフィックス誌
掲載作品


 ブルックス山脈から北極海へ流れる川のある場所では、一年中氷が溶けない場所があります。そこにカリブーたちが、ある理由(大量発生する蚊を避けるため、または安全に出産するため)により数万頭単位で群れることがあります。これはその瞬間をカリブーに気付かれず(低空飛行して脅かすことは法律違反)対地高度を1500ftで撮影したものです。こういう写真は簡単には撮影できないでしょう。私はかなりラッキーでした。研究者やブッシュパイロットが探し回っても、なかなか見つけられないほどカリブーの群れを見るのは難しいのです。故・星野道夫さんの著書でも、カリブーの大群を撮影するのは相当大変であった旨が記されています。実際の風景はファインダーの外に、この何百倍ものカリブーがいました。それを望遠レンズで、ぎりぎりのところで操縦しながら撮影したのがこの作品です。こういう写真は、世界でもそうないのでは?と自負する作品で、いつか写真集のメインとして出したい作品です。

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360°蛇行川

撮影地:アラスカ中西部、
    Holy Cross村の東
撮影日:In mid Sep.2008



 この写真は、2008年飛行旅の時、アラスカ山脈を西から東へRainy passから抜けるべく、ユーコン川を越えてさらに東進している時に偶然出会った、究極に蛇行している川です。通常、面白い風景に出会った時は付近を飛行して素通りしながら、数枚写真を撮るだけなのですが、この蛇行する川に出会った時は、さすがに飛行写真家として、様々な角度から撮影をすべく、周辺を数回、グルグルと飛び回りました。川の大きさと自分との距離感がうまくマッチせず、この写真のような全体像を見渡せる角度で撮るのが難しかった思い出があります。この蛇行している川の写真は、とても不思議な形をしているので、よく「道路ですか?」などと言われたりします。きっとこの川をカヌーで下っていたら、自分がぐるりと360°回っていることに気が付かないことでしょう。地上では、まったく分からなかったことが、空を飛んで俯瞰してみると、すぐに理解できてしまうこの不思議さ。現代において、視点を変えてみることのおもしろさと重要性を少しでも感じ取ってもらえれば嬉しいなと思える作品です。

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虹飛行

撮影地:ベーリング海、St.MaMichael東部
撮影日:Aug.2008

日本カメラ誌掲載作品


 この写真は、かなり不思議な雰囲気を醸し出しております。雲がちのベーリング海沿いを飛行していた時、雲に虹が映っていました。そしてその虹の中心には「自分の飛行機」が写り込んでいます。この虹は、しばらくのあいだ飛行機と共に動き、パイロットである私の眼を楽しませてくれます。これは山で確認できることがある、あの「ブロッケン現象」です。地上での虹はアーチ状ですが、空を飛んでいる時に見える虹は円であることが多く、ブロッケン現象はその極みでしょう。もしあなたがパイロットになったならば、訓練中にこの虹を頻繁に見ることが出来るでしょう。飛行中に撮った割には、構図がうまい感じで、自分自身が映っている貴重な写真だけに、お気に入りの一枚です。こういう写真を見ると、自分はやっぱり飛行家なのだなぁ、、と少し悦に入ってしまうのでした。

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