このHPは、自家用軽飛行機「ハスキー」でアラスカを飛んだ飛行家の記録サイトです

スペイン風邪とブレイビング・ミッション

(アラスカ辺境の村で起きた100年前の惨劇と、ある研究者の情熱)

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「たった1ドルで夢を買おう!!」

南国ムードなポスターが
逆に北国の悲哀を倍増させる。

村の楽しみとはなんなのだろう?
まあ、我々日本人と大して
本質は変わらないのだろうけれど。

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その一方では、壁に

「伝統的狩猟採集文化を大事にしよう!」

という張り紙もある。

俺なら喜んで参加したいところだが
いかんせん文化が違いすぎる。

彼らにとって狩猟採取は
少なくとも趣味以上の何かであるはず。


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まだまだ付いてくる子供達。

この家のご主人は、
近くで発掘した昔の生活道具などを見せてくれた。
その様子をみて子供達は、

「マネー、マネーが欲しいんだ!」

と小馬鹿に。

それを必死に否定する家のご主人


ん?発掘?

そうだ

そういえば

ドクター吉川氏が話してくれた、
スペイン風邪で犠牲になった村民が埋葬された場所、
そう・・巨大な十字架を探さなければいけない。

以下は文献による村の墓地の記述だ。

 宣教師館では、病人がうごめいていた。周囲にあるイグルーには死体がころがっていた。埋葬してくれる人がいなかった。ある家には犬どもが侵入し、血まみれの人骨だけを残していった。やがて救援隊が到着し、生存者達が気味の悪い埋葬作業に当たるのを手伝ったが、そのとき葬らなければならない遺体は72体あった。村の住民は150人内外であった。その使者達は一カ所の共同墓地に埋葬された。


そこで、

「かつてスペイン風邪で葬られた方々のお墓はどこにありますか?」

と家の奥さんに場所を聞いてみた。


「ああ、あのパンデミック(大流行)ね、
村の外れの墓地に行けば分かるわ。一目で分かる大きな十字架があるから」